ようこそ、テーブルへ
会話に花を咲かせる。議論を闘わせる。食事を共にする…。私たちにとって、同じテーブルに付くことは特別な意味合いを持っています。テーブルは対話の距離を調節し、心地よい、またはキリリとした環境をしつらえ、生まれてくるコミュニケーションを支えます。テーブルはそのための場であり、求心点なのです。
私たち「テーブル」もまた、そのような目的をもってデザインされた組織です。そしてすべてのテーブルがそうであるように、機能と、それを実現する構造からなっています。機能とは、皆さまのビジネス課題を解決すること。構造については、これからご説明しましょう。
世界は言語でできている
私たちは、言語を通じてこの世界を捉えています。私たちが抱く感情や概念は、私たちの用いる言語に紐付いています。語らず黙している時でさえ、脳内に走る思考は言語で行われています。人間にとって「生きることは、語ることである」といっても、過言ではないかもしれません。
このような理解は20世紀、学問の世界で大きく進みました。そして今世紀にかけては、誰もが語り手/書き手であるという日常が、オンライン上で当前のこととなりました。さらに現在、あらゆるモノやインフラが、語る言葉(データ)と考える脳(クラウド)を持ち始め、暮らしや社会を変えようとしています。
歴史上かつてない量のコミュニケーションの中で、私たちは日々を生きています。それを媒介するのはデバイスやアプリかもしれませんが、そこに流れているのは言語です。まずは私たちの自然言語。次いで8,000種を超えるともいわれるプログラミング言語が、私たちの世界を描き出しているのです。
兆しや傾向は、発見と同時に存在し始める
こうした変化は、ビジネスに何をもたらすでしょうか。それは「創造的発見の可能性/必要性」です。かつてマーケティングは、マス媒体による一方向的なパワープッシュでした。翻って今日、生活者の反応は即座にアップされ、広くシェアされ、データとして可視化されます。
とはいえ、何が「可視化」されるのでしょうか? 問いや仮説がなかったとすれば、それは刹那的な反応の域を出ない、言語の塊に過ぎないのでは?
すべてを、コミュニケーションの観点から捉え直しましょう。商品やサービスも。問いや仮説も。生活者の反応も。言語は「定性的性質」と「定量的性質」を持っています。それらの観点から、生活者の語ること/語らないことを読み解くなら、探求前には存在しないように思われたもの —思わぬ兆しや傾向など— が、姿を表すかもしれません。そこからは、仮説と検証のサイクルの始まりです。私たちの「テーブル」は、このような議論を皆さまとともに深め、実践していくための構造を備えています。